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くらしの工夫

日常生活における工夫や留意点(乳幼児期~青年期以降)

乳児期

  • 大後頭孔狭窄症などの脳神経に関する合併症の有無や程度を調べるため、定期的な検診が必要です。ただ治療が必要なほどの合併症が起きる割合は、あまり大きくありません。
  • 一般の乳児よりも首のすわりや寝返りなどのできる時期は遅れますが、これは主に頭が大きく手足が短い特有の体型に起因するもので、1~2ヶ月程度の遅れであれば、問題ありません。またこの病気では、首のすわり等ができる時期の個人差も一般の子より大きいことがわかっています。ただ、あまり遅れるようであれば、一度専門医を受診してください。
    (軟骨無形成症児の運動発達表が会員のページ・詳細情報に載っていますので、ご参照ください)
  • 筋力が十分についていないうちに無理に座位や立位を取らせることは、首や脊椎の発育に悪影響を与えることがありますので、なるべく避けてください。
  • 頭が大きく大後頭孔が狭いため、首への過度の負担がかからないよう、チャイルドシートは頭までしっかり支えられるものを使うことをお勧めします。
  • 中耳炎を起こしやすく、悪化すると聴力にも悪影響を与えることがありますので、風邪をひいたときには十分な注意が必要です。また汗をかきやすく、特に夏場はあせもに注意してあげてください。(幼児期・学童期も同様の注意が必要です)

幼児期

  • ドアのノブをレバー式のものに変えたり照明のスイッチを低くしたり、トイレの便座の改造や踏み台を用意するなど、なるべく自分の身の回りのことは自分で出来るように工夫してください。
  • 勉強机や食卓のテーブルなど、イスに座ったときに足が宙に浮かないように、足置台を用意してください。足が下に着くことで姿勢が安定しますし、腰への負担も軽減されます。また背もたれとの間が空かないよう、クッションなどを背もたれに置くといいでしょう。
  • 幼稚園や保育園選びは、一日保育や園長との意見交換などを十分に行い、慎重に検討したほうがいいと思います。また、同じ小学校に多くの友達が進む園を選ぶと、学校生活でも心理的負担が軽くなります。園でもトイレ等施設の改修が必要な場合がありますので、事前によく相談されることをお薦めします。
  • 園児や保護者への病気の説明に活用できる絵本などが事務局にありますので、必要な方は、事務局までお問い合せください。
  • 合併症などによる制限がないかぎり、不必要な特別扱いを受けないよう、園との連携をよく取ったほうがいいでしょう。(学校生活でも同様です)
  • 重篤な合併症がないかぎり、運動はぜひさせてあげてください。ただし、サッカーのヘディングや剣道のように頭に強い衝撃を受けるスポーツは、避けたほうがいいでしょう。

小学生

  • 学校生活では、トイレやイス、手洗いなどの施設改修が必要になりますので、早めに入学予定の学校に相談に行ってください。またランドセルなども、なるべく軽いものを用意したほうがいいでしょう。ただし、本人が他の生徒と違う物を持つことを嫌がる場合もありますので、ご家族でよく相談して準備してください。
    なお、会員向けに作成した軽いランドセルや学校施設改造例の資料が、事務局にあります。資料の必要な方は、事務局までお問い合せください。
  • 生徒や父兄に病気をどのように説明するかについて、事前に学校側とよく相談しておいたほうがいいでしょう。説明に活用できる絵本やDVDなどもありますので、事務局までお問い合せください。
  • 通学の距離が長かったり脊椎の彎曲が強かったりした場合、教科書を2組用意して1組は学校に置かせてもらうなど、腰への負担を軽くする工夫をするといいかもしれません。
  • 自分の体型などに疑問を持つようになれば、本人の理解度に応じて病気について話してあげるほうがいいでしょう。自分の病気について自分の言葉で話していけるようになることは、学校生活を含めた社会生活に大いに役に立ちます。
  • 自分が小学校に入学する時期よりも、自分よりも大きい低学年が入学してくる2年生になったときのほうが、精神的な負担は大きいケースが見受けられますので、ご家庭でもそのことも念頭に入れて、対応してあげてください。
  • 学校生活、特に体育の授業や遠足等の校外活動では、手助けが必要になったり他の子と同じようにはできなかったりする事があります。また慢性中耳炎などの耳に症状がある場合、水泳の授業では完全に水をシャットアウトする耳栓を使うなどの注意が必要です。
  • この病気ではあごの骨の発育も阻害されるためあごが狭く、歯並びは悪くなります。咀嚼に悪影響がある場合、歯列矯正などの治療を考えたほうがいい場合もあります。
  • 肥満傾向になるお子さんも多いので、体重管理に気をつけたほうがいいでしょう。特に成長ホルモン療法を受けているお子さんには、肥満傾向が見られます。ただし基準となる体型が違いますので、BMI指数のような一般的な肥満指標では肥満度は測れません。
  • 骨延長術を視野に入れている場合、肥満すると骨から皮膚までの層が厚くなるため創外固定器のピンやワイヤーへの負担が大きくなり、ピン折れ等の事故につながる危険性が増します。また体重が重いことでリハビリでも負担は大きく、感染のリスクも高くなります。そのため、なるべく肥満にならないよう、体重管理をする必要があります。

中学・高校生

  • 小学校と同じく、イスやトイレ等の改造が必要になります。特に骨延長後のリハビリを通学しながら行う場合、トイレの改造や教室を1階にしてもらう等の必要があります。
  • 進路選びや将来の職種選びを考える場合、同じ姿勢を続けなければならない仕事や力仕事は腰への負担が大きく、脊柱管狭窄症の悪化につながる恐れがありますので、こうした自分の体型や体の特徴も考慮に入れて考えることが望ましいでしょう。
  • 個人差はありますが、部活動などでは、頭部に衝撃を受ける恐れの強いサッカーや剣道、柔道などは避けるほうがいいでしょう。
  • 年齢に応じた社会性が身についているか、客観的に判断してください。また社会性を身につけるため、自分のことは(自分のできないことを周りの人に頼むことも含めて)極力自分でするよう、心がけましょう。親があまり関わりすぎないほうが、いい結果になることが多いようです。

青年期以降

  • 運転免許を取得するときには、事前に運転免許センター等で車の改造等の免許条件を確認してもらう必要があります。またペダルの延長や手動式アクセル等への改造は、身障者手帳があれば助成を受けられるケースもありますので、県や市の担当部局に問い合わせてください。車につける装置によって消費税の免除を受けられるケースもありますので、事前に税務署等に問い合わせるといいでしょう。
  • 親元を離れるなど自分で家事を行う場合、炊事場等には踏み台を用意し、洗濯機は横から洗濯物を取り出せるドラム式のものを選ぶなどの工夫をする必要があります。
  • 軟骨無形成症の遺伝的な性質(優性遺伝)について、理解しておきましょう。特に結婚や出産を考える場合、パートナーの方にも学んでもらうほうがいいと思います。
  • 軟骨無形成症の女性が妊娠・出産をする場合、妊娠後期に呼吸障害を起こすこともありますので、早い時期から呼吸機能についても検査することをお勧めします。また出産は、骨盤底が狭いため、多くの場合、帝王切開を選択することになります。
  • 腰やヒザへの負担を軽減させるためにも、適正な体重管理に気をつけましょう。適正な体重を維持することで、気道狭窄による無呼吸症や過体重による脊柱管狭窄症への悪影響を少しでも減らすことができます。
  • 肥満や睡眠時無呼吸症などの影響で突然死する危険性があるという研究結果もありますので、適正な体重管理と合併症への早めの対応には十分気をつけてほしいと思います。